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【archive】ボルダリングジム”ROCK&FIDDLE”高校生ボランティア レポート【ユースボラセンPJ】

ボランティアで新たなつながりが生まれていく

未来の準備室では、新たな試みとして「ユースボラセン」プロジェクトを立ち上げました。
ボランティアという体験活動を通して、地域内外の若者の「やってみたい」と、地域住民・事業者の「助けて」をつなぎ合わせ、互いの学びの機会として提供する、マッチングプラットフォーム事業です。

4月22日(土)23日(日)の二日間、「ユースボラセン」事業のプロトタイプとして、白河市本町の「クライミングジム ロックアンドフィドル(ワタナベ薬局3階)」にて、計10名の高校生がボランティア活動を行いました。

まずはチェックイン!

高校生はまず「ユースボラセン」の拠点であるコミュニティ・カフェEMANONに集合してミーティングを持ちました。互いに自己紹介した理、なぜボランティアに参加したのか、今日どんなことにチャレンジしてみたいかを話し合いました。コーディネーターからは「活動中に心が動いた瞬間を大切にしよう!」と声をかけました。

その後、コーディネーターとともに今回の受け入れ先である「クライミングジム ロックアンドフィドル」へ。オーナーの渡辺さんと対面し、ご挨拶しました。

活動内容

今回取り組んだボランティア活動は、クライミングジムの「ホールド付け替え」作業。クライミングのルートを更新するために、ホールドと呼ばれる人工岩を全て取り外して洗浄し、新しく付け直します。年に一度の莫大な人手が必要な機会に、高校生に向けて「助けて!」と依頼を受けて実施しました。

作業は大きく3つに分けて行われました。
①ホールドを3階のジムから1階の洗い場まで荷下ろしして、ホールドを高圧洗浄・手洗いで洗浄

②洗ったホールドを3階まで荷上げし、ホールドを固定するボルトの長さごとに仕分け

③ホールドを設置する壁にペンキを上塗り

参加した高校生の様子と声

新しい機会に自分から飛ぶこむことをしてこなかった高校生が、友達を誘いながら初めてボランティアに参加したり、自分の性格を変えるために参加したという人もいました。
はじめは少し緊張していて口数が少なかった高校生も、作業を開始するとお互いに作業のコツをアドバイスしあったりなど、所属も異なる高校生同士の交流が生まれていました。また、休憩中などに受け入れ先の渡辺さんとも楽しそうに話す様子も見られました。進路や部活の話をしたりしながら、渡辺さんの思いに触れていました。

ボランティア活動後には、体験したことから自己理解や地域社会への理解を促すために、ふりかえりを行いました。
高校生からは、
「ボランティアは人のためにするものだと思っていたけど、自分のためにもなるということに気づいた!」
「ボランティア活動に魅力を感じられなかった私が、人のために何かをしてあげることの充実感を感じることができた!」
「今後も積極的にボランティアに参加していけば、自分も地域も、みんなでいい社会を作っていけると思った!」
と声があがりました。

ボランティア受け入れ先の声

今回ボランティアを受け入れてくださった、「クライミングジム ロックアンドフィドル」のオーナー渡辺さんからは、

「もしこの仕事を1人でやるとすると1ヶ月以上掛かってしまうなかで、高校生にお手伝いしてもらうことで、地味で大変な作業も楽しく、そして予定していた作業を1日半という短時間で終える事が出来ました。」
「高圧洗浄の係で「濡れるー」ってはしゃいでいた高校生も、ズブ濡れになりながらも黙々と真剣に取り組んでくれてありがたかったです。交流することもできて楽しかったです。」
「また高校生にアシスタントしてもらうボランティアをお願いしようと思ってます。ボルダリングは対象年齢が広い競技なので、高校生にもお手伝いしてもらいながら、盛り上げていきたい。」

とお声を頂戴しました。

コーディネーターの声

今回のボランティア活動を通して、受け入れ先である渡辺さんという地域の大人と高校生が楽しく交流したことで、参加者は今後も自ら地域に関わっていくのではないかと感じました。

親でも先生でもない大人と楽しく交流できたことで、高校生にとっての新たなつながりが生まれていく。ボランティアに参加したその場だけで関係性が終わってしまうのではなく、その後も続いていくつながりを生むことが、高校生にとっても、まちの大人にとっても、一緒に社会をつくっていく一歩になるのだと実感しました。

そして、高校生には、ボランティアを自分の「やりたい」を考えるきっかけにしてほしいと思っています。その「やりたい」は必ずしも自分のためだけでなく、「誰かのため」にもなっていくのだと肌で感じて、地域との関わりを増やしていってほしいと思います。
(コーディネーター:未来の準備室スタッフ 久保慶太郎)