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【07/07】湯澤x青砥公開対談を開催「湯澤かい、未来の準備室を卒業します!」

(一社)未来の準備室の理事兼職員「かい」こと湯澤魁が、2023年5月末をもって退職しました。
退職に際して、本人からのメッセージとトークイベントのご案内をお知らせします。

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湯澤より退職のご挨拶
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いつもご支援やご協力をありがとうございます。
未来の準備室 理事、そしてこのおたよりEMANONを担当しております湯澤魁です。
このたび、未来の準備室を退職することになりました。

2018年春から白河で働き始め、一度復学に伴う上京を経てから2020年に出戻ってきて。この間5年と少し、正直に言えば、ずっと苦しかったです。

2020年に白河に戻ると決めた際に法人に提出したエントリーシートを引っ張り出して読むと、当時僕が戻った理由は、EMANONや白河を自分の場所だと感じ、もっと若者と地域の大人との協働をつくりたい、大学生や社会人になっていく利用者OBOGとつながり続けたい、若者を応援するコミュニティを立ち上げたい、と考えたからでした。

日々カフェの運営や高校生の地域活動の伴走、ユース世代のためのボランティアセンターの立ち上げに奔走してきた中で、毎日毎日できない自分の不甲斐なさと否応なしに向き合わされました。やればやるほど増えていく仕事、守れない〆切、対外的な評価は感じつつも増えない売上と給与。そして何よりも自分に対する甘えとそれに対する自己嫌悪。「〜すべき」に囚われている自分。

苦しい中でも、若者と地域との関係性において日本の最前線に立っているんだというプライドや、学び成長していく高校生の姿、地域の皆さんの励ましのお声がけや応援団の皆様からのご寄付に、本当に支えられて、なんとか進んできました。

結果、ふと振り返ってみると私がつくりたかった未来は、この3年間で、完璧ではないにしろ叶いつつあります。「うずうず」の立ち上げによって、白河の街のあちこちで同時多発的に高校生と大人が互いに学びあう瞬間が生まれ、高校生自身の内発的な動機に基づくアクション「マイプロジェクト」がたくさん産声をあげて、若者とまちの大人とがごちゃ混ぜになって互いに名前で呼び合うカフェの空間が継続しています。「まちを丸ごと若者の居場所にする」という目標は、着実に実現に向かっています。

僕がいたから白河の光景が変わったのだと自信を持って言えます。

一方で、僕の心の奥底にあった「若者が自らの人生を自分自身の手でつくっていけるようになるにはどうしたらいい?」という、自身にブーメランとして返ってくる問いについても、EMANONでの実践の中で、若者が自らの生を能動的に生きていくのに必要なのは、その人自身が固有の存在として認められる場と、自分の想いを形にする実践の連続なのではないかと思うようになりました。

ずっと僕自身が自分の未来を信じることができませんでした。でも、自らどんどん学んでいく高校生の姿から「あなた(高校生一人ひとり)の未来を信じられる自分なら信じることができる」と感じ始め、地元の皆さんや支援者の皆さんお一人おひとりのお心遣いやお声がけから勇気をもらいました。僕自身が自分で自分の心の声を聴き、自分を自分で愛することのできるようになりたいと思えるようになりました。そして、より大きな飛躍をするために一度いまの場所から離れて自分自身と向き合う時間をつくることを決断しました。

「白河やEMANONが『私の居場所』だからこそ、これからも続いてほしいし、自分が続けていく役割を担いたい」とご寄付のお願いをしてから1年と少しで、現場を離れることを心苦しく思っています。まだやりたいこと・できることがある、悔しい、情けないと感情が入り混じっています。それでも、私と団体とが大きなジャンプをするために、より大きく助走をとる必要があります。

エマノンや白河を離れることになりますが、頂戴したご縁をこれからも大切にしていきたいです。理事として法人と関わり続けますし、次の場所で成長を遂げた姿を白河で見せたいなと思っています。あ、新天地はまだ何も決まっていません。絶賛転職活動中です。

EMANON卒業の直前、たくさんの高校生や利用者OBOGがお祝いにきてくれました。「かいさんが笑顔で迎えてくれたエマノンが温かったよ」「大人でも悩んでるんだから今の自分でいいんだって思えたよ」ってメッセージをくれました。卒業後はまちの先輩たちが毎日のように送別会を開いてくださいました。送別会なのに、当たり前のように「また飲もうな」って言ってくださいました。

苦しかったけど、苦しかったからこそ、ダメダメながらもがいたし、そんな等身大な自分を皆さんに受け止めてもらっていたんだと思います。この5年間関わってくれた方々一人ひとりの顔を思い出すことで、僕は「自分のことを信じてくれている人のことを僕は信じられるんだ」って前を向けます。

親や先生ではない地域で出会う初めての大人が、周囲のたくさんの大人に支えられつつ、等身大のその人として、失敗しながらも社会を創り出している姿が、白河の高校生を勇気づけるのかもしれません。

EMANONの現場は、昨年度から一緒に頑張ってくれているさえりー(鈴木冴佳)という、より高校生に年の近いメンバーが担っています。

彼女自身も3年前の僕と同様に若者であるなかで、自分のアイデンティティに悩んだり、抑圧されてしまうことがあるはずです。

白河出身のさえりーは、外から与えられる評価や尺度ではなく、高校生自身のなりたい自分を大切にしてほしいという思いから、高校生に居場所にしてもらえるような場づくりと、高校生の新たな挑戦の後押しをしています。

カフェのお客さんやご支援・ご協力くださっている皆さんが、突っ込みどころの多い僕を温かい目で見守ってくださったように、さえりーが等身大の彼女として白河の高校生と出会い、関係を築いていくには、皆さんの関わりがどうしても必要です。

若者がいつでも・何度でも地域と関わることができる白河を実現するために、新体制としてフェーズが切り替わり、継続や発展に挑戦していく未来の準備室を応援してください。

引き続きエマノンへの応援を、何卒よろしくお願いいたします。

湯澤魁

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湯澤x青砥 公開対談の開催について
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湯澤の退職に際して、理事長青砥和希と湯澤が、これまでを振り返り対談する場をリアルタイム配信します。ぜひご覧ください。

【EMANON湯澤x青砥 公開対談】
日時:2023年7月 7日(金) 20:00~
場所:Youtube Live(限定公開)
URL:https://youtube.com/live/nbAvofOSKdg?feature=share