インターン生の櫻井です。東北学院大学教養学部地域構想学科3年生で、現在まちづくりについて学んでいます。また、自分の地元である、白河のまちづくりについて関心を持っています。
11月22日日曜日に宇都宮大学石井先生とゼミ生7名、白河市議会議員の4名の方々、白河にゆかりのある大学生で、未来のダイアローグを行いました。今回は「リフレティング」の方法論を用いた対話です。この手法は、フィンランドで対話による精神的な疾患を回復する治療法として実践されてきた手法です。
なぜ今回「リフレティング」の手法を用いようと思ったのか、ゼミ幹事の鈴木萌さん(白河出身)に聞きました!
鈴木萌「よくある意見交換というよりは、議員さんにもメリットになるような対話の場を設定しました。ゼミの先生に今回の手法を提案して頂いて、自分たちが大学で行っている手法に近い形で実践してみました。」
とのことでした。私はこの「リフレティング」を初めて体験しましたが、たしかに今まで学校でやってきたような、グループワークや対話に近かったため、馴染みやすかったです。
まず、1つのテーマに対して学生チームが自分の考えを述べ、それを聞いた議員チームが感想を述べます。更にその感想を受けて学生チームが考えを述べることを1セッション、話始める順を逆にしてもう1セッション行いました。
1回目は「Uターン」をテーマに対話がスタートしました。大学生側からは、地元に愛着があるし、卒業後またはいずれUターンしたい!という意見が出されました。それを聞いた市議会議員の方からは、ただ地元に戻るのではなく、何か目的を持って地元に戻ってきてほしい。また戻れるような態勢を整えていきたい、という感想が出ました。更に、それぞれ地域に良い所があって、住む場所は自分で都にしていくもの、との話も頂きました。特に後者の感想は、大学生の心にも響く意見で、参加していた大学生からは、そこにいる人たちと関わって地域の良さも見えてきたので、自分で都にするという意見は納得しました、と今までの体験を踏まえて話してくれました。場も盛り上がり、休憩もなしで次のセッションへ続きました!
2回目は「自由」をテーマに対話が進みました。高校までは何に関しても縛られていたが、卒業したら自由の身。その後のキャリアも人生の選択も自分で決めるものです。ということから、自由ってどうなんだろう?というテーマが選ばれました。市議会議員側からは、自由は自分で決めるから中途半端にもなり得る。不自由は決まりがあるから楽。自由と言っても何かしらの枷はある。アナウンサーになりたい!と決まっているならそれに向かって進むだけだし…。との意見が出されました。それを聞いた大学生からは、自由には責任が伴っていて、ぶれない為の軸が必要。また、全部自分と同じことをして、同じ人生を歩んでいる人は絶対いないし、模範解答もない、といった自由の難しさに関する感想が多く出されていました。
最後のテーマは、石井先生から「コミュニティ」をテーマに話してみよう!ということで、ふるさとキャンパスで来ていた大学生も参戦し、対話が行われました。そもそもコミュニティって必要なの?コミュニティの定義って何だろう?など、多様な意見が出され、より一層盛り上がった対話となりました。
今回の未来のダイアローグは、全員にとって初の試みでしたし、ゴールのない対話でした。しかし、対面で話したり日常の中で話したりするだけでは出てこないような、有意義な場であったと思いました。また主婦や他の層の人で行ったらどうなるのか、別な地域で行ったらどんな対話になるのか、今回で終わらずに今後も未来のダイアローグが行われて欲しいなと思います。
そして、先程も書いてように、未来のダイアローグは普段の話し合いでは出ないような意見が出てくる対話だと実感しました。これはまちづくりの中でも新たな意見が見出されることに繋がりますし、対等な対話の場としても活用出来るのではないかと思います。