こんにちは。インターン生の須藤です。大学では大きく分けて自然・計画・経営という3つの理系的視点から観光を勉強しています。今は高校時代に裏庭編集部のライターとして活動していた経験を生かして高校生と一緒に活動しています。
11月14日土曜日に東日本大震災・原子力災害伝承館訪問ツアーへ行ってきました。この伝承館は令和2年9月20日、福島県双葉郡双葉町にオープンしたばかりです。福島で起きた地震から原子力災害の記録や教訓を収集・保管・研究し、風化させず後世に継承・発信することを目的としています。
私たちは、震災からまもなく10年になるのを機に、当時小学生だった高校生たちにあの時福島で何があったのかを、改めて自分の言葉で説明できるようになってもらいたいと思いこのツアーを企画しました。今回は、白河の高校生、ふたば未来学園の生徒、白河出身の大学生、東京大学大塚ゼミのみなさん、コミュニティ・カフェ EMANONスタッフ、NPO法人カタリバスタッフ、案内役の講師としてカフェふぅの戸村富美子さんと立命館大学教授の開沼博さんとツアーに参加しました。
伝承館に入って初めの展示はプロローグシアターです。ここでは西田敏行さんのナレーションで震災から今日に至るまでの福島の現状が映像で映し出されます。その後、シアターの周りをスロープで2階まで上がるのですが、スクリーンの後ろには原子力発電所の年表が貼られ、刻一刻と避難指示が拡大していった様子などが読み取れます。
2階が基本展示室になっており、震災発生時刻と津波到達時刻で止まっている2つの時計や福島第一原子力発電所の事故後を表したジオラマなどが展示されています。伝承館の全ての階にはテラスがついており、特に3階のテラスからは建設中の防波堤とその先に海が見えます。
その後、バックヤードを見学させていただき、まだ何も入っていない収蔵庫を見せていただきました。オープンしたばかりの建物なので保存に適した湿度や温度に調整しているため何もモノを入れていないそうです。当時、双葉町内の小学校に勤務されていて、現在は伝承館に勤務されている語り部さんのお話を伺いました。当時の経験などをわかりやすくお話していただきました。
伝承館を出た後、JR大野駅周辺を散策しました。ここでは当時駅のすぐ近くにお店を構えていた戸村さんからお話を伺いました。駅前の商店街は更地にして新しく街を作り直すという話をしていただきました。
道中は、開沼さんにレクチャーをいただきながら、双葉郡内をバスで移動しました。夜の森の桜並木を車内から見学し、天神岬を訪れました。展望台からは未だに除去土壌の黒いフレコンバックが見えます。また、広野火力発電所も見ることができ、遠くの海上には洋上風力発電の風車が見えました。
最後に、ふたば未来学園を見学し、学園の高校生たちと一日の振り返りワークショップを行いました。参加した高校生たちは悩みながらも自分の言葉で今日の出来事を振り返りました。
今回、ワークシートを作るところから参加したことで、自分が高校生ライターとして学んだ技術を生かして今の高校生たちのサポートができたのではないかと思います。また、このツアーに参加したことで、私も改めて震災と向き合う機会になりました。
今後は県外の同世代に福島のことを伝える機会をつくり、自分たちが住んでいる福島についてさらに高校生の理解が深まるようサポートをしていきたいと思います。